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システム生命科学研究室

 

 

 

 2008年、同志社大学に生命医科学部•生命医科学研究科が開設されると同時に、システム生命科学研究室が誕生しました。研究室の名前には、生命の単位である“細胞を1つのシステム”と捉え、このシステムがうまく機能するしくみを様々なアプローチで解明したいという期待が込められています。

 私たちの研究室のもう1つ重要なキーワードは“酸化ストレス”です。私たちヒトを含め地球上の生物は、酸素を利用して大きな繁栄を成し遂げてきました。これを成功させるためには、酸化傷害に対する防御機構を構築することが必須でした。なぜならば、細胞が生理機能を維持するために酸素を利用する過程で、必ず活性酸素やフリーラジカルが生じ、これらが生体の重要な分子を酸化して傷害するからです。この酸化ストレスが強い負荷となって、生命システムの維持ができなくなると、病気になると考えられます。これに対して生体は、活性酸素の産生を抑制したり、活性酸素が生体分子を攻撃する前に捕捉して酸化傷害を抑制したり、さらに酸化傷害を受けた分子を速やかに修復するなどの防御機構(抗酸化機構)を獲得してきました。
 その一方、生体は、酸化ストレスを生命システム機能を維持するためにうまく利用しています。遺伝子発現誘導や細胞内情報伝達などに、活性酸素や酸化生成物は重要な役割を担っているのです。
 システム生命科学研究室では、生命システムの機能維持における酸化の関わりを軸に、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患や、糖尿病やがんなど生活習慣病発症の分子機構を明らかにしようと研究をすすめています。そして、これらの病気の早期発見のためのバイオマーカーの開発や、根本的治療方法の開発などを通して、社会への貢献を目指して研究に取り組んでいます。

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